御代田移住生活(西軽井沢).hatena

東京の渋谷から、ここ御代田に移住、軽井沢生活の日々を始めました

あたりまえに見えることほど、高い技術が必要です

3月6日 月曜

今年は、激しい冬でした。
その反動というわけでもないでしょうが、いつになく早く春が来たような、暖かく、よい天気です。
このまま、春が来ればいいのですが。

今日は、ミサワさんが新しいドアホンの設置に来てくれました。
37000円の出費・・・ちょっと痛い。
しばらく、特別出費が続きますね。


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文章でも、ギターなどの楽器でも、テニスのショットでも、傍観する側からは、すごく自然ですっと流れているように見えるものが、実はすごく技術的であり、それを超越したオリジナリティがある、それがプロの技能ということだろうと思います。

ギターで言うなら、まったく同じフレーズを弾いても、クラプトンとジミヘンとサンタナとジェフベック、それぞれ聞けばわかるくらい違っている。

文章も同じで、短い文章であっても、漠然と書かれてはいない。
一度自分の文体として完成されたものであれば、いちいちうなりながら文章を作るわけではないのだが、そこに至るまでの苦節は長かっただろうし、先に向かっての努力はつきることはない。

若いころ、同人誌に発表した短編小説の中で、自分で気にいている作品が何点かあります。

そのひとつは、まだ小学生低学年の主人公が、幼い弟と、近くの山にいって、トンネル手前の線路で遊んだ経験がモチーフ。
突然、トンネルから汽車が現れ、主人公は弟を危険な目に合わせたたということに直面し、その危険から間一髪まぬがれる・・・という短い話です。
(当時は、線路に入ることはさほど難しいことではなかった)
数秒という時間経過の中に、さまざまなテーマを織り込み、読み手がどんな幼少時代を経験したかによっても違ってくる、スリリングな文章でした。
だからなんだ?と、読者が思ってくれれば成功です。

短編小説を書く時、一番扱ったのが「タブーへの挑戦」でした。
タブーといっても、そんなに大それたタブーではなく、間違ってやってしまいそうな、身近な題材です。

なぜそんな題材を選ぶか・・・。
うまくいってない自分への不満、そこから脱却するために、大人から言われるまま進むのではなく、いけないという領域に踏み込むことで不満な今からの脱出を試みる、でもそれは大きなリスクもあり、リスクと衝突した時に、どちら側に転ぶかの一瞬の大きなストラグル・・・。
うまく生きている人たちへ抵抗したい、その思いが根底にあったのだと思います。

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小説やエッセイを書く代わりに、企画書や計画書、報告書を書くようになり(それが仕事でしたから)、私の文章もずいぶん変わりました。
抒情的な表現は使えない、事実の裏づけを明確にして説得力をもたせる展開、それも、小さな事実でも、うまく使って納得した気にさせる技術。
それでも、クセが残っていて、どこかロマンチックすぎる企画書を書いてしまいましたかね、でも、それが、特に営業用としては生かされたと思います。